素人レンズ教室-その15
 
50mm超大口径レンズ・日独対決 (3) 桜対決

 

麗子先生 : さあ、今日はいよいよ最終対決よ。
タマラ先生: 
桜の写真は撮ってきましたか?

みんな  :
 は~い。

麗子先生 :
 今日の対決は、もう細かい部分比較はしません。
        すべてのレンズによる桜画像を並べますから、みんなが自分で順位をつけてね。
タマラ先生: 自分自身が一番使いたいと思うものから、3つ選んでね。

ジロー  : 面白そうだね。先生、早く開放で勝負しようよ。
はるか  : 直感でいいんですか?

麗子先生 : そうよ。

ジロー  : カール、正直に選べよな。
カール  : お前こそ、日本レンズにえこひいきするなよ。
アリーナ : だめよ、喧嘩しちゃ。仲良くやりましょう。

麗子先生: 
そうよ、じゃあ写真を並べてみましょう。

 
日本側レンズ団 (左から画面全体、中央部分拡大、左上部拡大)
Zunow 50mm f1.1/1953
Nikkor 50mm f1.1/1956
Fujinon 50mmf1.2/1954
Canon 50mmf1.2/1956
MS-Optical 50mmf1.3/2006
ドイツ側レンズ団 (左から画面全体、中央部分拡大、左上部拡大)
Xenon 50mm f0.95/1975-6?
Noctilux 50mm f1.0/1994
Noctilux 50mm f1.2/1966
Kino-Plasmat 50mm f1.5/1930-40?
ゲストDe Oude Delft 50mm f0.75/???

はるか  : うわあ、壮観ねえ。直感と言われても迷うわ。
タマラ先生: そうね、どうしても拡大部分を見てしまうわね。
         自分がレンズの描写で重視するいくつかのポイントに絞ってみたほうがよいかもしれないわ。
         
「透明感」、「立体感」、「抜けの良さ」、「ハイライトの滲み」、「周辺のボケ」、それから「ぐるぐる」とかね。
         それから、
「画像の色」はカメラ(M8)のホワイトバランスがオートなので100%正確ではないわ。
         でも、ほぼ
10分以内の撮影だから、それなりにレンズの傾向を表しているとは思うけど。

麗子先生: あんまり考えすぎちゃうと決められないわよ。
        じゃあ、ジローから、いくわよ。

ジロー  : 
また、僕から~。いつもこういう時だけ初めなんだから。
はるか  : ぐずぐず言うのは男らしくないわよ。

ジロー  : わかったよ~。
        僕は
「ハイライト滲み」と「周辺ボケのにぎやかなレンズ」が好きなんだから、、、、、、、、。
        
1位「Nikkor」、2位「Kino-Plasmat」、3位「Noctilux/f1.2」に決めた。

カール  : なんで、3位にNoctilux/f1.2なんだい?
ジロー  : まあな。Noctilux/f1.2の淡いピンク色の描写、輪郭の出ないボケは僕もやっぱり使ってみたいよ。
        結構コマ収差が残っていて、周辺が少し流れるところも好みだしね。

タマラ先生:じゃあ、次はアリーナの番ね。

アリーナ  :
 私は私は「ピンク色がきれい」で、「ボケが素直」、そして「優しい写りのレンズ」が好きです。
         そうすると
1位「Fujinon」、2位「Noctilux/f1.2」、3位「Zunow」の順番です。

ジロー  : おおっ、アリーナちゃん愛してるよ!
はるか  : (ジローの耳をつまむ)
ジロー  : 冗談だよ、冗談、、、いてて。

麗子先生: 次ははるかちゃんね。
はるか  : わかりました。
        わたしはボーイフレンドが「抜けてる奴」
なんで、「抜けの良い」レンズが好きです。
        だから
1位「MS-OPTICAL」、2位「Noctilux/f1.0」、3位「Noctilux/f1.2」の順番になるわ。
ジロー  : うん?なんだよ、みんなで俺の顔をみて??

タマラ先生: ジロー君よかったわね。
        じゃあ最後はカールの番よ。

カール  : はい。僕はなんと言ってもまず「きっちり写る」。そしてそれと「味わいがバランスされたレンズ」が好きですね。
        その基準で選ぶと、
1位「Noctlux/f1.0」、2位「Nikkor」、3位「Noctilux/f1.2」です。

ジロー  : みんな、全然違うね。

麗子先生: そうよ。オールドレンズの好みというのは、一人一人みんな違うの
        みんなもよくわかったでしょう。
タマラ先生: だから、誰の選択が良いとか、悪いということは本来ないのよ。
        でも独りよがりが良いというわけじゃないから、これからもいろいろな人たちと意見交換して、自分自身の判断基準を育てるのよ。

ジロー  : さすが、言いこというねえ、はるか。
はるか  : そうね。先生の言うとおりだわ。

カール  : でも、勝負は勝負。
         先生!今回の日独対決はどうなるんですか?
アリーナ : 先生の言ったことを聞いたでしょ?もういいんじゃない?
カール  : そうはいかないよ。勝負には結果が必要だよ。

麗子先生: タマラ先生、どうします?
タマラ先生: わかったわ、カール。
         では、いままでのやり方で見てみましょう。
         1位/5点、2位/3点、3位/1点にするわよ、、、、、、、、、、
日本チームが、19点ね。

アリーナ : 
ドイツチームは17点だわ。
        はるかちゃん、よかったわ。
はるか  : ありがとう、アリーナ。

カール  : なんだ、アリーナまで日本チームの味方みたいに喜んでる。
アリーナ : だって、カールがあまりに子供じみているからよ。
        少しはジロー君とはるかちゃんを見習ったら?
ジロー  : やったー。

タマラ先生: 総合すると1勝1敗1引き分けで、両チーム「引き分け」ね。

麗子先生: みんな頑張ったわね。おめでしょう。
        みんな、今回学んだオールドレンズについての勉強をよく覚えておいてね。
        これからも他の人の好みをよく尊重して、そしていろいろな知識と物の見かたを勉強するのよ。

みんな  : はーい。


はるか  : カール、今回は残念だったわね。
カール  : いいや、先生の言うとおりだ。いろいろきついことを言ってごめんね。
はるか  : いいのよ。ドイツに帰ったら、メールしてね。
カール  : わかった。また会おうね。

ジロー  : アリーナちゃん、またどこかで会ってくれる?
アリーナ : だめよ。あなたにははるかがいるでしょう。あんなにいい娘を泣かしたら許さないわよ。
ジロー  : なんで、僕ばっかり、いつもこうなるんだ?

タマラ先生・カール・アリーナー  : アウフ・ヴィーダーゼーエン。
麗子先生・ジロー・はるか  : みんな元気でね。さようなら。



第15回素人レンズ教室 終わり。
 
 
 
 
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